10倍株候補「ファーストブラザーズ」の事業と今後の見通し

ファーストブラザーズ(3454)とは

大型の不動産投資商品を組成・運用する独立系の運用会社です。同類の企業には「いちご」や「ケネディクス」がいます。不動産管理フィーのストックビジネスと、投資物件の自己勘定によるフロービジネスの両面を兼ね備え、自分で不動産の価値を上げてしまうバリューアップに強みがあります。

 

2016年12月01日現在

時価総額:138億円

直近売上:108億円(2016/3Q)

直近経常:24億8100万(2016/3Q)

 

ファーストブラザーズの強み

積極的なバリューアップ実績

リーマン・ショック後にデフォルトした物件がなかったことから、不動産の流動性が少ない中でもレスキュー案件を多数受注し、今期でのパフォーマンスに繋がっています。不動産投資では森ビルのような大規模開発でバリューアップしていくところもあれば、テナントの入れ替えやオペレーションの変更でバリューアップしていくファーストブラザーズのようなやり方もあり、専門的な人材から生まれるバリューアップ力に強みがあります。

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IR情報 | ファーストブラザーズ株式会社

 

セイムボート投資

ファーストブラザーズが特徴的なのは、ファンドを組成してお客様に出資してもらうだけでなく、自分も一緒に出資してリスクを取る「セイムボート投資」を積極的に行っていることです。単純にフィーを稼ぐだけでなく、自らも乗ってバリューアップをすればより高収益が狙えるというWin-Winのビジネスモデルになります。これは出資者から喜ばれるだけでなく、バリューアップノウハウが自社に蓄積されるビジネスのストック化に繋がります。どの業界でも付加価値を付けられる企業は強いものです。

 

不動産以外も手がける

ファーストブラザーズは間伐材を使ったバイオマス発電へ投資を行っています。

ファーストブラザーズ、BPC福島を連結子会社化 投資効率強化へ|M&A ニュース速報 | M&A タイムス

 

木質バイオマス発電はカーボンニュートラルで環境にも良く、山間部の土砂崩れなどを防ぐための森林保全にもつながります。ここ数年で注目されている新エネルギーの1つです。

関電が初の木質バイオマス発電、地域から燃料調達 :日本経済新聞

飛騨高山の温泉で木質バイオガス発電、地元産のペレットを燃料に熱も供給 (1/2) - スマートジャパン

 

木質バイオマス発電の課題は発電コストにありますが、石炭混焼だと太陽光発電よりもコスパが良いので、運用次第では大化けする可能性があります。

再生可能エネルギーの発電コスト試算を発表 / アジア・バイオマスエネルギー協力推進オフィス ― アジアバイオマスオフィス ―

 

複合リゾート「アクアイグニス」に出資

アクアイグニス、静岡・小山町に複合リゾート 宿泊や温浴施設 :日本経済新聞

 

ファーストブラザーズが10倍株になる理由

マイナス金利で調達コストが下がっている

日銀のマイナス金利政策によって、不動産取得にかかる融資の調達コストは劇的に下がっています。その影響で不動産業界全体にとっては大きく追い風になっています。ただし、2018年に安倍・黒田の任期満了後の政策転換がリスク要因となります。私の考えとしては、金融緩和を辞める正当な理由がなければ、金利を引き上げることは難しく、日本の人口減少は避けられないし経済成長の可能性は低いため大きな政策転換はないと考えています。

 

成長企業なのにPERもPBRも低すぎる

PER7倍、PBR1.5倍という異様なくらいの低さです。たしかに賃貸物件の売却で現実と乖離している部分はあるものの、倍になっても相対的な値ごろ感があります。

 

いちご

PER:16.4倍

PBR:2.83倍

時価総額:2188億

 

最低限いちごと同じくらいの規模感にはなってくれると思います。出資者側から見れば、バリューアップが出来るチームで、自己勘定で一緒にリスクを取ってくれる所に任せたいと思うのではないでしょうか。

 

不動産投資はなくならない

リモートワークをやってみると分かるのですが、やはり席を並べて仕事をするというのはパフォーマンスに大きなメリットがあります。なので、アクセスの良いオフィスビルの需要は底堅いと思われますし、賃貸物件の需要も家族構成が単身者中心になっていく都市部では底堅いです。商業ビルがバンバンたっても人がどんどん流れ込んで、商店街はバンバン寂れていく現状なので、良いものをつくる企業だけが生き残っていく状況になると思います。その中で鍵になるのが「バリューアップ」できるかどうかです。

 

つまり、いまは時価総額100億前後ですが、一朝一夕で手に入らないバリューアップを強みに物件数を増やしていけば、10倍の1000億に到達する可能性は極めて高いといえます。

 

ファーストブラザーズのリスク

人材流出のリスク

ファーストブラザーズの強みは、バリューアップを支える優秀な人材を固めている点にあります。IRで個人の経歴が並べられていますが、この人材が流出した場合の影響度はかなり大きいといえます。平均年収が758万(業界27位)という参考値ですが、金銭面でも従業員を引き止める施策を重視していくべきかもしれません。

 

不動産業-企業別の年収ランキング|【年収ハッカー】

 

不動産バブルの崩壊リスク

オリンピックまでは不動産のプチバブルだと言われますが、不動産市場自体が縮小する可能性は大いにあります。その場合は短期的に売り込まれるだろうし、経営の数値も悪くなることが想定されます。しかし、2008年リーマン・ショック移行のファーストブラザーズのレスキュー案件の事例を鑑みると、その心配は杞憂に終わる可能性も示唆しています。

 

金利急上昇リスク

日本の場合は、財政不安からくる国債の暴落とセットで金利急上昇のシナリオ(ハイパーインフレ)が考えられます。とはいえこうなった時には、どこに投資していてもしなくても円建ての資産を持っている人みんながダメージを受けることなので仕方がありませんね(笑)外貨建てで資産を持って、不動産が大暴落したタイミングで円に変えて買いまくればとんでもない利益になるかもしれませんが・・・。

 

※くれぐれも投資は自己判断でお願いいたします。

 

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